若者よ、そろそろ街に出ようよ。第2、第3のパンデミック襲来に備えて(後編)

寺岡内科医院 寺岡院長202008
7月15日付の厚労省統計で、PCR陽性と判明した人(人口1万人に1人か2人)のうち死亡した人の割合を見てみましょう。10代以下(0%)、20代(0.02%)、30代(0.1%)、40代(0.4%)、50代(1.0%)、60代(6.3%)、70代(16.6%)、80代以上(39.4%)です。60代あたりから死亡率が急に高くなります。高齢者にとっては恐ろしい伝染病といえそうですが、60歳以下の平均死亡率は0.3%で、そのうえ無症状感染者が10倍以上ありそうなので、死亡率はさらに1/10(0.03%以下?)に減ることになります。

働き盛りを20代から50代とすると、人口6150万人の中でコロナによる死者は52人(人口の0.00008%)でした。これに対し昨年全国でインフルエンザで亡くなった方は3200人、交通事故によって死亡した方は3200人。これで社会をロックダウンしようという人は誰もいません。発病率が1万人に一人か二人、その死亡率が0.03%以下という危険性を恐れて、国の経済を止めるなんてバカげていると思われませんでしょうか。

そこで第2波のパンデミックに備えてこういう提案はいかがでしょう。つまり働き盛りの20代から50代の壮年の方(10代以下と健康に自信のある60代も含んで良いかもしれません。)には、全ての職場で通常通り働いて、学んで、遊んでもらいます。ただし急に「発病者」が増えてしまっては医療崩壊になるので、3密を避け、マスク着用、手洗いは続行します。少しずつコロナは蔓延してゆくでしょうが、ほとんどの若者は無症状か軽症のカゼですんで免疫力が出来るのです。ただし少しカゼ気味でもPCRを行い、陽性ならば自宅で2週間休んでもらいます。若者は死なないのですから、「検査を増やせば陽性者は増える。」くらいに腹をくくっておいて集団免疫を期待します。死者はゼロには出来ないでしょうけど、社会活動は維持できます。

そして70代以上の人は社会活動を自粛し、都会を若者に譲ります。その代わり十分な補償をしてもらって、老人中心のコミュニティーにとどまり、汚染されているかもしれない若者とは接触を制限します。どうしても接触が必要なら、厳密に消毒、隔離を徹底します。社会でも家庭内でも介護施設でも病院でも、老人専用の隔離設備を設けます。沢山の老人には地方のリゾートホテルをあちこち移動していただき、長期休暇を楽しんでいただきます。学童疎開ならぬ老人疎開です。これで観光産業も潤うという、新GoToキャンペーンです。仮にここまで徹底的な年代別の隔離政策が出来なくても、それぞれの持ち場で一人ひとりが青・老分離を厳重に心がけることによって、コロナへの防御と経済の両立はもっとうまく行のではないでしょうか。

100年前のスペイン風邪は世界で4000万人以上の人が亡くなるという、新型コロナよりもずっと恐ろしい疫病でしたが、今ではH1N1のA型インフルエンザの一つとして特別注目される存在ではなくなりました。いずれ人類は今回の新型コロナに対しても集団免疫を獲得して、新型を従来型コロナウィルスの中に埋没させてゆくに違いありません。若者の活発な交流はその日が早く来るように加速しているとも思えるのです。

7月16日です。今日も東京で165名のPCR陽性者が発表され大騒ぎになっています。でもこれには大きな落とし穴があります。非常事態宣言の出されたころ東京の最大限のPCR検査の処理能力は1日280件しかなく、重症でコロナ感染の疑いが濃厚な人にしか適用されませんでした。今やPCR処理能力は4000件を超えていて、しかも重症者は1/6に減っていますから、当時であれば軽症と判定され“資格”が無かった人たちも容易に検査できる状態になっています。165人(4000人中)がPCR陽性だということらしいですが、「○○人中」というのと重症者数がなぜか省かれています。

内訳は陽性者の90%以上が20代から50代の若者で、大半が無症状か軽症というのですから、若者にとってはカゼみたいなものだということの証明です。こうなったら徹底的にPCR検査を増やして、陽性者がどれだけピンピンしているか、1週間後にどれだけの人が重症化しているか報告すべきです。ミクロ的に大変だ、大変だと騒ぐばかりのマスコミではダメで、冷静な視野が必要でしょう。

最後に来シーズンのインフルエンザとの関係ですが、結論を言いますと「ウィルス干渉」という専門語があって、今年がそうであったように、二つ同時に違うウィルスは流行しないそうで、多分来年にかけてインフルエンザは流行らないでしょう。少し安心しました。