時代が変わりそうです。日本人の自覚を!

寺岡内科医院 寺岡院長202011
明けましておめでとうございます。2021年がやって来ました。ほとんどのご家庭で注連縄、鏡もち、お屠蘇、お雑煮で祝われることだろうと思います。日章旗、門松、お年玉、凧揚げ、こま回し、羽根突き、カルタ遊びなど、子供の頃の晴れやかな光景はこの年になってもますます美しいものとなっています。この美しい風習がいつまでも続いていてほしいものだと願います。しかし今が世界史上まれに見る重要な転換点であることも知っておきたいとも思います。そこで日本人についてのお話です。

最新の研究では、縄文時代はなんと1万6000年前に始まり、3000年前まで1万年以上続いていたという見方が強くなっています。といいますのは、炭素14・年代測定法により世界最古(!)の陶器が日本で見つかり、1万6000年前に作られたことがわかったからです。古モンゴロイドといわれる彼らの出身地は実に多方面です。北方から、南島から、大陸から海を渡って渡来し、混血をくり返しました。食料は狩猟漁労、木の実の採集で得られたものでした。1万年以上続いたのはよほど食料に恵まれ争いがなかったからでしょう。大自然に感謝する平和で保守的な人達だったに違いありません。

3000年くらい前に新モンゴロイドといわれる弥生人が稲作技術と共に入って来ました。稲作は自然を改変し、富の蓄積をもたらし、領有権争いを起こし、階級差を生じ、人口爆発を起こすものでした。その組織力に負けて縄文人は次第に東北や南九州の辺境に追いやられていった、というのが弥生時代以後の日本です。しかし突然時代が変わったのではなく、縄文人も古くから稲作をしていたことが判り、両者は共存し混血も進んだと思われます。ある研究者の試算では、地域によって濃淡がありますが、現日本人の22~53%が縄文人のDNAを持っているそうです。そういえば私達の顔つきにも北方系も南方系の人もいますね。

縄文文化の特徴は、森・自然・魂、気象への敬意です。神社は森の中に存在します。神木や巨石に注連縄を飾って祈ります。お祭りには神様に生贄を捧げます。いろんな神様が共存しますが人を導くようなことはありません。キリスト教やイスラム教の一神教とは違うところです。後に日本ではいろんな神様が歓迎されてきました。仏教、キリスト教などです。その結果として正月は神社に初詣をし、葬式は仏式で、年末にはクリスマスを祝い、というような矛盾するような行動となったのです。縄文心は、新しいものと協調する、自然を敬う、侘びさびを感じ、古い物への愛着を持つ、などの特徴があります。「荒城の月」「古池や…」を思い出してください。こんなに古くて、非生産的で、イベント性の無い詩になぜ心が震えるのか、それはあなたの中に縄文人がいるからに違いありません。ガラケーやFAXを生き延びさせているのは縄文の心かも知れません。

今や5G時代が始まったといわれます。スマホだけでも情報であふれ返っているのに、さらにもっとデジタル通信量を増やしてビッグデータの活用、事務の効率化、工場の無人化、家事労働の軽減、何でもAIがしてくれる「明るい未来」を実現しようと世界中が競っています。まるでデジタル一神教のようです。新型コロナの発生源である中国では、顔認証システムを完備し、全ての国民の行動を監視することでコロナを制圧できたと誇っているのですから、世界的疫病とAIが結びつくという、とんでもないことが起こっています。

本当にそれで良いのでしょうか? 5G時代の究極の姿は、便利さの代償として個人の全ての行動、発言、思想が、AIに認識されコントロールされることになります。そして人間は心と体を衰退させるのです。そしてもし太陽の異変で電波が通じない状況になれば人類は破滅します。私は今の文明で充分です。何とか歩みをゆるめる方法は無いものでしょうか。

多神教的な価値観、古いものへの愛着、わびさび、自然神への感謝などなど、縄文人の心を思い出し世界に発信することが、日本人に出来る人類への貢献ではないかと思います。これからの時代変化をしなやかな心で乗り切って行けたらと思うのです。